orthopaedic surgery

専門的な整形外科診療を提供します

マーレ動物クリニックでは、整形外科治療のための別棟を総合診療の建物とは別に設け、整形外科の専門科診療を行っております。
整形外科において多くの研究を行い論文を発表している院長をはじめ、整形外科分野での活躍を目指し研鑽を惜しまない多くの若手獣医師が、チーム医療で診療にあたっております。

当クリニックは、総合診療も行っている動物病院のため、専門科診療のみを行う病院と違い、普段からの診療の延長として、いざという時に整形外科の専門科診療をご提供することができます。
身体が大きな動物は、とくに関節などで整形外科の病気や症状が発症するリスクが高いため、万が一の時でも安心です。

整形外科とは

整形外科では運動器官(骨・関節・筋肉・靭帯・腱など)の病気やケガ、手足などの先天性疾患(奇形や変形など)の診断・治療に対応している診療科です。

歩くには運動器官が正常に機能することが大切です。しかし、わずかな異常であっても、機能障害があれば正しく歩けなくなります。体に障害を残さないためにも、早期発見・早期治療が重要です。いち早く病気を見つけて治療し、以前と同じように体を動かせるようにサポートしてまいります。

このような症状・状態の時はお早めにご相談ください

  • いつもより元気がない
  • 歩き方がぎこちなく不自然
  • 散歩に行きたがらない
  • ジャンプしようとしない
  • 階段を登ろうとしない
  • 関節を触ると痛がる・嫌がる素振りを見せる
  • 誰かが帰ってきてもお迎えに行かなくなった
  • 横になっている時間が急に増えた
  • 歩くスピードが遅くなった
  • 散歩で歩く距離が短くなった

整形外科疾患では早期発見・早期治療が重要です。早めにご相談ください。

代表的な整形外科疾患

当院は、整形外科分野の専門医が在籍・連携しており、骨折、脱臼、関節疾患など、幅広い整形外科疾患に対応しています。
最新の設備と専門知識を駆使し、ペットたちの痛みや不快感を取り除き、健やかな動きと快適な生活をサポートします。

主な疾患例

  • 椎間板ヘルニア
  • 肘関節形成不全
  • 変性性腰仙椎狭窄症(馬尾症候群)
  • 股関節の疾患
  • 環軸椎不安定症
  • 膝関節(膝蓋骨脱臼、前十字靭帯断裂)
  • 上腕骨骨折
  • 前十字靭帯断裂(急性断裂・慢性断裂)
  • 橈骨尺骨骨折
  • 脛骨高平部水平化骨切り術 TPLO
  • 骨盤骨折
  • 膝蓋骨脱臼症
  • 大腿骨骨折
  • 股関節脱臼
  • 脛骨骨折
  • 手根関節脱臼
  • 椎体骨折
  • 足根関節脱臼
  • 肩関節の疾患
  • 大腿骨頭壊死症

これらの疾患以外にも対応可能です。整形外科疾患でお困りの場合は、まずはお気軽にご相談ください。

前十字靭帯断裂の手術(TPLO)

前十字靭帯断裂とは?

膝関節内部には靭帯が2本あり、前十字靭帯・後十字靭帯と呼びます。それぞれが大腿骨と脛骨(下腿骨)をつないでおり、膝関節の安定感を生み出しています。

ワンちゃんは構造上、前十字靭帯の損傷が多く、後ろ足の歩行に異常をきたします。靭帯損傷の原因は、年齢に伴う変性、激しい運動による外傷、膝蓋骨脱臼などがあります。

検査では触診やレントゲンを通じて診断し、重症度に応じて、保存療法から外科手術までの治療を行います。

脛骨高平部水平化骨切り術(TPLO)について

この手術法は、前十字靭帯断裂の術式として、現在世界的に最も良い成績の手法とされています。

このTPLOは膝関節内外に前十字靭帯の代用組織や人口靭帯などは使用せず、脛骨の膝関節面の骨を骨切りして、回転させてプレートで固定します。そのため手術した肢の違和感が少なく、術後の回復も従来の手術法と比べて、大変良好です。当院ではこの手術を200例以上手がけており、結果も良好です。

橈骨尺骨骨切、各種骨折

現在、日本において最も多い骨折は、低所からの落下による小型犬の前肢橈骨尺骨骨折です。

手術は一般にプレートと呼ばれるチタンやステンレスの合金のインプラントを骨折部位に圧着させ整複させる方法で固定します。当クリニックでは150例以上の症例経験があり、経過も大変良好です。

膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼とは、膝蓋骨(膝のお皿)が外れて本来の位置ではない状態のことを言います。脱臼は小型犬・中型犬・大型犬などの犬種に問わず起こりますが、小型犬での発症が最も多いです。足の痛みや骨が変形・変性する原因になります。脱臼は重症度に応じて4つのグレードに分けられ、グレード2から手術を検討し、3・4の場合はふつう手術を行った方が良いケースがほとんどです。

当クリニックでは膝蓋骨脱臼の治療や手術以外に、セカンドオピニオンやご相談のご利用も可能です。「足をあげる素振り」や「スキップをして歩く」など、膝の周辺に起こりがちな症状は当クリニックにご相談ください。当クリニックでは、膝蓋骨脱臼の手術を200症例以上で行っており、良好な結果を得ています。

股関節形成不全及び肘関節形成不全

股関節形成不全は大型犬に特に多い病気です。遺伝的な要因もありますが、栄養面や運動面など発育の問題による原因も考えられます。
「後ろ足がふらつく」「腰を左右におおきく振るような歩き方をする」「両足で地面を蹴りながら走る」などの症状が、体の両側に現れます。

診断・診療の流れ

  1. Step01

    問診

    まずは問診を行います。飼い主様にお話を詳しくお伺いし、現在の症状やいつから起きているのかなどを明らかにしていきます。

  2. Step02

    視診

    座っている姿勢、立ち姿や歩き方を目で確認し、違和感や異常がないかを診断していきます。

  3. Step03

    触診

    実際に体を触りながら、整形学的検査や神経学的検査を通じて、筋肉・骨・関節・脳・脊髄・末梢神経などに異常がないかどうかを確認します。

  4. Step04

    画像検査

    レントゲン検査や超音波検査を行い、解像度の高い画像から骨や臓器などの状態を明らかにできます。

  5. Step05

    追加検査

    歩行の異常には、整形外科疾患・神経疾患・内分泌疾患・免疫疾患など、さまざまな病気が関係している可能性があります。
    何らかの疑いがある場合は、追加の検査として血液検査や画像検査などを行います。

  6. Step06

    治療(手術)

    診断結果をもとに飼い主様と相談しながら症例に合わせた治療や手術を行い、健康な状態への改善をめざします。

  7. Step07

    リハビリテーション

    当クリニックではリハビリ用のプールなど、さまざまな専用の設備をご用意しております。飼い主様やペットたちの症例に合わせて、豊富な施術プランからお選びいただけます。楽しみながらリハビリに取り組み、治療後(手術後)のスピーディーな回復をサポートしてまいりますので、どうぞご安心ください。

整形外科手術について

手術体制

当クリニックは担当の獣医師と整形外科チームが連携し、整形外科手術を行っております。整形外科に関連する疾患の手術は、術前計画の正確さや高度な技術力が必要です。チームで検討を重ねながら術前計画を立て、最新の機器を用いて手術に取り組んでおります。症例にもよりますが、整形手術の多くは長時間に及ぶものもあります。当クリニックでは麻酔の専門医により全身の麻酔管理を徹底し、ペインコントロールとしてブロック麻酔や硬膜外麻酔なども取り入れ、痛みの抑制と全身麻酔によるリスクを最小限に抑えた手術を大切にしております。
検査結果や手術内容は事前にわかりやすくご説明し、ペットたちの症例や飼い主様のご要望を尊重した上で、手術に関するご相談をさせていただきます。

痛みに配慮した手術
専門医によるペインコントロール

病気やケガの治療に伴う痛みはストレスの原因となり、治療経過に悪影響を与えかねません。例えば、ペットが膝の手術を受けて強い痛みがある場合、リハビリへのモチベーションが低下してしまう場合があります。

そのため、当クリニックでは専門的な麻酔および循環器呼吸の専門医がペットに合わせた適切な麻酔プランを検討し、手術の種類に合わせた最適なペインコントロールを提供しています。専門医によるペインコントロールは、ペットの快適さと回復を促進するためには必要不可欠です。また、院内にはリハビリ用のプールや酸素カプセルなどあらゆる設備がありますので、ペットのストレスを軽減し、穏やかな状態で治療を進めることで、より迅速な回復を目指すことができるのです。

手術に備えた設備環境

医療の進歩は日々続き、専門性の高い対応が求められています。これは動物医療にも当てはまります。今後の動物診療では、専門分野に特化した獣医師たちが個々の動物に適した治療を提供し、最良の結果を導ける機会が増えることでしょう。

当クリニックは開院以来、整形外科に特化した診療を展開してきました。これは、動物の手術に特化した環境を整えてきた成果です。最新の医療設備と熟練の専門医が、安全で効果的な手術を実施します。手術室には高度な器具とモニタリング装置が備わり、ペットの状態を確実に把握。専門医の経験と知識に基づき、最適な手術プランを立案し、手術後のケアも丁寧に行います。

術後のスケジュール

手術後は多くの場合、約1週間程度の入院管理が必要です。入院中からリハビリを開始し、退院後にご自宅での暮らしを再開できるようにサポートしていきます。退院後は約2週間~1か月ごとにご来院いただき、術後の経過を考慮しながら患部の良好な機能回復を一緒にめざします。
その後も必要に応じて、定期的なリハビリテーション科のご利用をおすすめする場合もありますので、ご希望の場合はお気軽にお申し付けください。
リハビリは豊富な専門知識や経験を持つスタッフが担当し、ペットたちを中心に場合によっては飼い主様も参加していただき、一緒に楽しみながら施術を行ってまいります。ご自宅で簡単に実践できるリハビリのアドバイスなど、飼い主様のご要望に合わせたプランのご案内も可能です。

術後リハビリテーション

リハビリテーションは、手術後の筋力回復や関節の動作改善に欠かせません。当クリニックではリハビリ用の専門的な設備をご用意し、手術後のスピーディーな回復に力を入れております。施術は豊富なプランから、ペットたちの症例に合わせて選択し、獣医師や動物看護師がサポートいたします。当クリニックでしたら、手術からリハビリまでをクリニック内で一貫して行えますので、飼い主様にとっても安心です。

リハビリテーション

【ご注意】
こちらの情報は、動物病院の獣医師様・スタッフ様が対象となっています。
一般の飼い主様へ向けた情報ではありません。

マーレ動物クリニックでは、
整形外科の二次診療に
対応しています

マーレ動物クリニックでは、整形外科をおもな診療科目とした二次診療および、
症例に関する相談(コンサルテーション)や、各種検査機器の映像・画像の読影を行っております。
ご希望の場合、まずはお電話かメールにて、ご連絡先と概要をお願いします。
ご相談、お問合せは下記ページよりお願い致します。

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